以前の App Store の ASO はシンプルでした。名前1つ、サブタイトル1つ、100文字のキーワード、そして全員に同じスクリーンショット。「voice journal」で検索した人も「private journal」で検索した人も、同じページと同じ最初の3枚のスクリーンショットを見ていました。
2026年10月からは違います。キーワードをカスタムプロダクトページに振り分けられ、そのページそれぞれに専用のヘッダーと検索結果の画像を持たせられるようになりました。つまり 検索 → 専用ページ → 専用画像 という流れができます。以下では、その組み立て方と限界を説明します。
技術的な詳細(サイズ、形式、却下ルール)は1本目の記事にあります。ここでは使い方だけを扱います。
変わらないこと#
インデックスされるのは今も3つの欄です。名前(30文字)、サブタイトル(30文字)、非表示のキーワード欄(100文字)。説明文、プロモーションテキスト、新機能の説明は検索に関わりません。クリエイティブがランキングに影響するとは、Apple は言っていません。その役割は別のところにあります。検索結果で見た人がアプリをタップするかどうかを左右し、インストール数を通じて順位にも効いてきます。
ここは押さえておきたい点です。新しいツールはコンバージョンのためのもので、キーワードの作業の代わりにはなりません。そもそも検索で見つからなければ、どんなヘッダーも役に立ちません。
1つ目のつながり:キーワード用のカスタムページ#
カスタムプロダクトページ(Custom Product Pages)は、広告用のツールとして以前からありました。2025年7月、Apple はキーワード欄の語をカスタムページに割り当てられるようにし、通常の検索結果にも出るようになりました。割り当てたキーワードでアプリが順位を得ると、検索ではデフォルトのページではなくカスタムページが表示されます。
押さえておく数字です。
- 1アプリあたり最大70ページ(以前は35)。
- 各ページに専用のスクリーンショット、プレビュー、プロモーションテキスト、キーワード、ディープリンク、そして専用のURL。
- ディープリンクは iOS と iPadOS 18 以降で動き、ページが承認されてから有効になります。
割り当てられるのは、すでにアプリのキーワード欄にある語だけです。カスタムページが新しいキーワードを増やすことはありません。解決するのは別の問題、つまり見つけてくれた人それぞれに何を見せるか、です。
2つ目のつながり:その検索向けの画像#
10月5日から、カスタムページにもデフォルトページと同じくヘッダーと検索結果用アセットの欄があります。これで流れがつながります。検索結果のアセットについて、Apple のアドバイスは「当たり前のことを言う」です。検索している人は具体的なものを探しているので、画像はそれが見つかったと伝えるべきです。
そこからシンプルなルールが出てきます。カスタムページの検索用アセットは、そのページのキーワードの意味をそのまま繰り返す。 「voice journal」用のページは検索結果で音声入力を見せ、「private journal」用のページはプライバシーの仕組みを見せます。
知っておくべき注意点がひとつあります。Apple は検索のクリエイティブを検索の文脈に合わせられるとしていますが、「この語にはこの画像」という独立した仕組みはドキュメントにありません。私がドキュメントから理解する限り、検索語への合わせ込みは、キーワードを割り当てたカスタムページとその専用アセットを通じて行われます。Apple がもっと細かい仕組みを説明したら、この記事を更新します。
実例#
私の日記アプリ Lanternly で考えます。9月に、このアプリの検索需要を集めました。アメリカとロシアの App Store のサジェストと Google Trends です。そこからクラスターができ、ページはそれを軸に作ります。
| 検索クラスター | ヘッダーと検索結果で見せるもの |
|---|---|
| voice journal | 音声で書き込む様子と、できあがったテキスト |
| private journal | ログインのない画面と「データは端末に残る」という一文 |
| journal app for mac | iPhone の隣に並ぶ Mac 版の日記 |
| gratitude journal | 書き込まれた感謝日記 |
Google Trends(アメリカ、5年間)によると、「private journal」と「voice journal」はこの1年で前年の数倍に伸びています。需要の目安であって、流入を約束するものではありません。伸びの一部は6月の WWDC 後の急増によるものです。
「private」は実際に検索されますが、「no account」と打つ人はほとんどいません。つまり「登録不要」はページの画像で伝える材料であって、キーワードではありません。こういうことは実際のサジェストでしか見えないので、私はクラスターをデータから作っています。
3つ目のつながり:直接来た人のためのヘッダー#
ヘッダーはページを開いた全員が見ます。検索からでも、リンクからでも、特集からでも。ここでの Apple のアドバイスは別で、初めてアプリを見る人に向けた明快なアイデアをひとつ、です。
デフォルトページでは、たいてい製品の中心となるアイデアになります。カスタムページでは、その人が検索から持ってきた考えの続きになります。音声日記を探して音声入力の画像をタップした人を、「何でも書ける日記」といった一般的なヘッダーで迎えるべきではありません。
いちばん安上がりなスタートは、5244 × 2950 のユニバーサルアセットです。画像1枚でヘッダーと検索結果の両方をカバーし、主要なクラスター用の画像は後から作ります。
推測ではなく検証する#
デフォルトページにはプロダクトページの最適化(A/Bテスト)があります。現在のページに対して最大3つのバリエーションを、最長90日間テストできます。10月5日からはバリエーションに creative assets も入れられるので、ヘッダーをテストできます。バリエーションが適用されると、そのアセットが既定のものと置き換わります。
カスタムページについては App Analytics を見てください。ページごとのコンバージョンが別々に表示されます。クラスター用のページがデフォルトページよりコンバージョンが低いなら、クラスターの組み方が間違っているかもしれません。まず見直すべきは検索結果の画像です。
新しいバージョンなしで季節対応#
以前は、画像を変えるにはアップデートを出す必要がありました。今はアセットライブラリにアセットをアップロードし、バージョンとは別に前もって審査に出せます。承認されたアセットは、再審査なしでヘッダー、検索結果、カスタムページに配置できます。
同じ目的で In-App Events も使えます。同時公開は最大10件、1アプリあたり承認済みは最大15件、期間は15分から31日です。年末のヘッダーと年末のイベントを11月に承認しておき、時期が来たら有効にできます。
ひと晩でできるプラン#
アプリが1本で、マーケティング部門がないなら、私ならこの順番で進めます。
- 実際の App Store のサジェストから、検索クラスターを3〜5個集める。
- それらの語がすでにキーワード欄にあるか確認する。なければ、まずキーワード欄、それからほかのすべて。
- デフォルトページ用に 5244 × 2950 のユニバーサルアセットを作る。
- 主要な2つのクラスター用に、キーワードを割り当て、専用の最初のスクリーンショットと専用の検索用アセットを持つカスタムページを作る。
- リリースを待たずに、ライブラリからアセットを審査に出す。
- 1か月後、App Analytics でページごとのコンバージョンを比べ、作り直すものを決める。
限界#
- creative assets は iOS と iPadOS 27 以降に対応しています。 古いシステムのユーザーに何が表示されるかを Apple は明記していません。通常のスクリーンショットが表示されると考えておきましょう。
- 特定の検索語に対する画像の選び方は、カスタムページ以外については説明されていません。
- Apple Ads ではまだ creative assets を使えません。Apple は後日対応するとしています。
- 2027年4月からは、すべての提出に iPhone Duo のスクリーンショットが必要です。カスタムページ用に新しいスクリーンショットを作るなら、半年後に作り直さなくて済むよう、今のうちにそれも用意しましょう。
新しい欄で ASO が簡単になるわけではありません。ページも画像も増え、保守が必要です。それでも、スクリーンショットだけでなく検索結果のメイン画像でも、人によって違うものを広告予算なしで見せられるようになりました。小さなアプリにとって、これはここ数年の App Store でいちばん役に立つ変更だと私は考えています。



